2005年12月01日
アスベスト対策講演会
今日は、「建築分野におけるアスベスト対策の動向」という大変興味深いタイトルの講演会へ出かけました。
講師は、元国土交通省で、現在独立行政法人建築研究所主席研究員の本橋健司さんという方です。
本橋さんは、政府のアスベスト対策に関する委員会の委員もなされているようです。
政府のアスベスト対策は過去の補償、また現在を含め今後の対策・指針が急ピッチで進められているようですが、最近は虚偽の構造計算で鉄筋が少なくなっている欠陥マンションの問題で国交省も大忙しです。
ただ、アスベスト問題はひとり国交省の問題ではなく、環境省、文化省、厚労省など、関係する機関も多く、今日の話では、各省で微妙にアスベストに対する対策が違うようですね。
児童生徒や患者を対象とする文化省・厚労省の方が少し厳しくなっているのかも。
県内でも、ようやくアスベストの調査結果が明るみになってきて(遅れた原因は調査機関に持ち込まれる数があまりにも多く、また集中しすぎたことにあるようです)公立学校などではこれから予算をつけて除去がはじまるようです。
問題なのは、民間の飛散性アスベスト、特に吹付けアスベストが使われている建物ではないでしょうか?公共はある程度予算の確保の見通しがつきますが、民間は今のところかかる費用は「自腹」です
から、景気がいいときなら節税にもなってまだ良かったでしょうが、今の景気の悪い時代にはなかなか金出せないですよね。
しかも、アスベストを除去したからといって建物の価値が上がるわけではありません。
講演の中で、アスベストの除去、またアスベストが使われている建物の解体時には財政的な支援が必要ではないかと、政府は検討しているとの話がありましたが、是非前向きに検討していただきたいものです。
金が無いからと除去を伸ばし伸ばししているうちに、アスベストは付近に飛び散っていく可能性も全くないとは言えないし、解体時にも予算が無いからと知らんふりして、アスベスト対策をせずに解体するケースは多くなると思います。
仮に罰則規定ができても、飛散したアスベストの害がなくなるわけではありません。
ここに来て急に大問題となったアスベスト対策ですが、おかれている現状に行政が必死で追いつこうとしているといった感が強いですね。
Posted by 球建設 at 23:15│Comments(1)
│アスベスト
この記事へのコメント
アスベスト調査は業者に依頼しなくても、ご自身でできます。
Posted by アスベスト at 2009年03月16日 14:50